2022年10月6日
皆さんこんにちは🙋🏻♀️
さいたま市中央区で痛くない治療を心がけ、土曜も診療している「コバヤシデンタルオフィス」です。
近頃、当院にご通院中の患者様から、お子様がフッ化物配合の歯磨き剤を飲み込んでしまい心配、という相談が増えています。
一度に多量を飲み込んでしまった場合は危険ですが、少量であれば問題ありません。
しかし、お母様、お父様方からすると、少量とは言っても心配だと思います。
そこで、今回は、フッ化物の安全な使い方についてお話していきます。
フッ化物の効果
以前にお話したことがありますが、まずはフッ化物についてです。
フッ素は元素名で、食品やオーラルケア用品に含まれるものはフッ化物(フッ素化合物の略)と呼ばれます。
フッ化物は、お茶や海産物にも含まれていますが、オーラルケア用品に含まれる種類は3つ、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウムです。
フッ化物を水道水から摂取したり、高濃度フッ化物配合の歯磨き粉を多量に飲み込んだりしてしまうと、急性中毒や慢性中毒による歯のフッ素症、骨フッ素症などの健康被害が出てしまいますが、適正量を守り使用すれば、むし歯予防には一番の薬効成分になります。
フッ化物の効果は、
1.エナメル質の耐酸性向上(エナメル質がむし歯菌の出す酸で溶けにくくする。)
2.再石灰化の促進(むし歯菌の出す酸によって溶けた歯を修復する。)
3.う蝕原因菌の酸産生能の抑制(むし歯菌が酸を出す働きを抑える。)
の3つがあります。
フッ化物を安全に使うためのポイント
医院では、お子様の年齢、うがいができるかを確認して、お子様一人一人に適した濃度と量を守って使用しています。
ご自宅で使用される時も、ぜひフッ化物の量を確認してから使用してみてください。
まず、年齢ごとにフッ化物の適正濃度、適正量が決まっています。
6ヶ月-2歳→切った爪くらいの少量を仕上げ磨き時に使用。濃度は500ppmまで(泡状なら1000ppm)。
3-5歳→5mm以下の量を使用後、少量(5~10ml)の水で1回だけうがい。500ppmまで(泡状なら1000ppm)。
6-14歳→1cm程度の量を使用後、少量の水で1回うがい。900〜950ppm。
15歳以上→2cm程度の量を使用後、少量の水で1回うがい。1450ppm。
日本でのフッ化物配合歯磨剤の適正使用量、濃度は、厚生労働省によって定められていますので、お子様の年齢に合わせて使用してください。
フッ化物の急性中毒
上記を守れば安全に使用できますが、誤って飲み込んでしまった場合に、急性中毒が起こる量と対策もお話します。
フッ化物による急性中毒量は、フッ素2mg/kgで起こると言われています。
当院で販売しているフッ化物配合洗口剤では半分強(250㎖のうち175㎖)、お子様向け歯磨き粉では1.7本分を飲み込まないと、中毒症状は起りません。
上記のように、飲み込んでしまった場合も少量であれば問題ありませんが、急性中毒が心配な場合は、コップ一杯分の牛乳を飲ませてみてください。
フッ化物と牛乳のカルシウムが結合して、腸管からの吸収を防ぐことができます。
また、商品の裏面にも記載があると思いますが、必ずお子様の手の届かない場所で管理をしてください。
フッ化物の慢性中毒
急性中毒は上記のように防ぐことができますが、慢性中毒の場合は上記の対策は適しません。
慢性中毒の症状は、歯のフッ素症、骨フッ素症の二つで、症状が出るフッ化物摂取濃度と摂取期間が、急性中毒と大きく異なります。
歯のフッ素症は、エナメル質の石灰化時期(出生後~8歳頃)に、0.1g/kg(体重)/日を毎日摂取する(飲み込む)ことが、歯のフッ素症が発現する最低量です。
歯が完全に生えた状態では、歯のフッ素症は起らないと言われています。
骨フッ素症は、初期症状はレントゲン写真で不透過性(白い部分)が増加する程度ですが、進行すると疼痛、硬直、異常な骨形成などが起こります。
しかし、この骨フッ素症は、日本では報告数がとても少ないです。
骨フッ素症が起こる条件は、1日に8ppmを超える濃度のフッ化物を10年以上摂取することです。
フッ素が含まれる飲食物は、お茶(抽出したもので0.5~2.0ppm)、食卓塩(0.5~3.0ppm)、メザシやニボシ(10~40ppm)などがありますが、骨フッ素症が起こる時に重要になる飲食物は「水」です。
フッ化物を使った予防方法の一つに、「水道水フロリデーション」という方法があります。
水道水フロリデーションは、水道水にフッ化物を添加することでむし歯予防を図るものです。
この水道水フロリデーションにより、骨フッ素症の報告が多い国は、インドや中国です。
高温や乾燥する地域では、水分摂取量が増えます。その時に摂取する水道水に高濃度のフッ化物が添加されていると、日常的に摂取するフッ化物量が増え、骨フッ素症の原因になってしまいます。
日本の水道水に含まれるフッ素は0.8ppmで、極少量です。
過去には、日本でも水道水フロリデーションが実施されていた地域もありましたが、現在は中止されています。
ですので、日本では、骨フッ素症が起こる可能性はとても低いです。
心配な場合は、1日のフッ化物摂取量を計算しながら、食品を摂取してみてください。
いかがでしたか?
今回は、フッ化物の安全性についてお話させていただきました。
次回は、お子様向けのフッ化物配合ケア用品についてお話していきます。

